2011/10/13

もし浦和が不調でなく、FC東京が降格していなかったら



通称『もしウラ』が始まります




2011年のJ11試合平均観客動員数は、28節を終えて15,441人。2010年が18,428人だから、1試合に約3,000(2,987)ずつも減っている。
(Jリーグ公式サイト http://www.j-league.or.jp/data/ に基づく)


この要因ってなんだろう?震災の影響?今回は1つ仮説を立てて検証してみる。
すなわちタイトルの「もし浦和が不調でなく、FC東京が降格していなかったら」だ。


この2クラブはともに知名度が高く、観客動員数でも上位である。浦和レッズサポの熱さはよく知られているし、FC東京サポは交通の便の良さからなのか、アウェイの動員力が凄いのだとたまに目にする。アウェイのスタジアムに大挙して押し掛けてはスタジアムグルメを食い尽くしていくとかで、一部では「イナゴ軍団」と呼ばれていたりw

そしてこの2クラブは2011年の今、ともに不調だ。浦和レッズは降格争いを演じてしまっているし、観客動員数がガクンと落ちている。FC東京に至ってはJ1にすらいない。でもこれが彼らの、本来の姿ではないことを期待している。やっぱり人気クラブはいつも強くあってほしいのだ。

「観客激減、Jリーグピンチ」みたいな煽り記事っぽいのが出ると思うが、その前に要因を探ってみるのも一興ではないだろうか。そんな気持ちでちょっと調べてみた。
『浦和レッズが好調で昨年度と同じ観客数を維持できており、FC東京がJ1に残留していたら、観客動員数2,987人減ってのは結構なくなるのでは?震災の影響とか、飽きられたとかじゃないのでは?』





【計算する】

まず、この2クラブの観客として2つのタイプを考えなければならない。すなわちホームゲームでの観客と、アウェイゲームでの観客。

   ホームゲーム

ホームゲームの動員力ならば、Jリーグ公式サイトに載っているものでOKだ。

浦和:
2011年現時点(ホーム13試合消化)の浦和は総動員数422,228人、1試合平均観客動員数は32,479人。2010年の1試合平均観客動員数は39,941(1試合7,462人も減っている計算になる)で、これを2011年現時点に当てはめると総動員数は519,233人と、97,006人増える。

FC東京:
FC東京は今年J1にはいないので、J2から昇格してきたクラブと置き換えて考えるのがいいのでは。昇格組は甲府・福岡・柏だが、2011年の甲府・福岡を合わせた平均観客動員数(11,809+10,004)と、FC東京と同様に降格した2010年の京都・湘南を合わせた平均観客動員数(10,510+11,905)はほぼ同じになっている。そのため柏とFC東京を置き換えて考えることにしよう。柏サポの方、ごめん!

2011年現時点(ホーム14試合消化)の柏は総動員数170,502人、1試合平均観客動員数は12,179人。2010年のFC東京の1試合平均観客動員数は25,112人で、これを2011年の柏の現時点に当てはめると総動員数は351,568人と、181,066人増える。




   アウェイゲーム

アウェイゲームの動員力を測るのはとても難しい。とりあえず考えたのは、対戦クラブのvs浦和、vsFC東京というホームゲームで、その1つ前()のとの観客動員数の差を出し、すべてのクラブでその差を出した後、平均値を出すというもの。これだと1つ前の対戦相手の人気度や結果などに影響を受けてしまうのだが、今のところ他に思いつかなかった。もし何か良いアイディアがあれば教えてほしい。

浦和:
予想はしていたことだが、「イナゴ軍団」FC東京よりも浦和はアウェイ動員力がある。浦和戦の観客動員数は伸びるということを見越して、いくつかのクラブは開催スタジアムを大きいものに変えるほどだ。(仙台、大宮、清水、磐田、名古屋あたり)

浦和のアウェイ動員力は2010年は7,406人、2011年には4,807人と2,599人の差が出ている。これを2011年現時点の浦和のアウェイゲーム15試合にそれぞれ足していくと、38,985人の増加になる。

FC東京:
FC東京の2010年のアウェイ動員力は3,287人であった。降格するほど成績が悪かったこともあるのか、他クラブとの差はそれほどないといえる。スタジアムグルメの消費量はまた別途研究を要するがw

柏には特筆すべきアウェイ動員力がないと仮定して(柏サポ重ねてごめん!)2011年現時点の柏のアウェイゲーム14試合と置き換えてそれぞれ足していくと、46,018人増加する計算になった。




【まとめる】

2010年の観客動員力を維持した浦和は、ホームゲーム13試合で今より97,006人観客を集めている。またアウェイゲーム15試合でも、相手サポか遠征する浦和サポがメインかなどは分からないが、合計で38,985人多く相手の観客動員に貢献する。

また2010年に残留し、観客動員力を維持したFC東京は、昇格してきた柏と申し訳ないが入れ替えさせて頂くと、ホームゲーム14試合で181,066人多く観客を集め、またアウェイゲーム14試合で46,018人多く相手の観客動員に貢献する。

これらを合計すると、363,075人である。


これを28(252試合)終了時のJリーグ総入場者数である3,891,171人に合わせると、4,254,246人。252で割ると、1試合平均観客動員数は、16,882(小数点第1位繰上げ)だ。



『浦和レッズが好調で昨年度と同じ観客数を維持できており、FC東京がJ1に残留していたら、1試合平均観客動員数2,987人減ってのは結構なくなるのでは?』

この仮定での1試合平均観客動員数は16,882人。現在の15,441人に比べ1,441人増え、2010年の18,428人と比べると1546人減ということになる。

これって、結構なくなってると言えるのではないだろうか。確かに縮まったのは半分弱で、1試合に1,546人ずつ減っているのはまた別の要因ということになる。けれども、浦和とFC東京がいつもの調子でいるだけで、ここまで数字が改善されるものか。改めて人気クラブへの依存度の高さを示している、ということでもある。


『震災の影響とか、飽きられたとかじゃないのでは?』

ということで、別の要因は何かあるのだと思う。そんな感じで考えていたら、節ごとの平均観客動員数の推移のグラフを作ってくれた方がいた。@audrey1967さん、ありがとうございます!感謝!


http://p.twipple.jp/ZBL9A
(グラフデータはJリーグ公式サイトhttp://www.j-league.or.jp/ に基づく)


このグラフを見ると、今年の後半戦からはほぼ昨年と同様の観客動員数に回復していることが分かる。大きな差があるのは前半戦で、それは時期から考えると震災なのだろうと思う。

さらに震災の影響として、スケジュールの再編成により平日開催が増加したことが1試合平均観客動員数を大きく減らしている要因であろうことが読み取れる。あとは実感だが、前半戦は全国的に雨の中での開催が多かったように思う。このあたりの影響を含めて、今後ももう少し考えてみたい。


 
うむ、なんかすっきりまとまった!